軌道修正┃成行バリスタFIREするの?

本当にするの!?バリスタFIREへの軌跡

会社が潰れる前に会社を辞めるのか

私はもともと定年まで働くつもりはなく、どこかのタイミングで会社を辞めようと考えていました。ところが、自分が辞めるより先に会社が潰れそうな雰囲気になってきたので、成り行きでバリスタFIRE(セミリタイア)するのかと思いはじめていたのですが、最近の出来事で考えを改めることにしました。会社が潰れる前に自分が会社を辞めたいと。

 

2024年の新年度を迎えて

どこかの会社の新卒新入社員と思われる若者を通勤電車で見かけてることで新年度の雰囲気を感じることができましたが、勤め先では例年どおり新卒採用がありませんでしたので、いつもと変わらない月初の雰囲気です。

以前に勤めていた会社では、年度の初めに上層部の会社方針や部門方針の説明を従業員が聴くというイベントがありましたが、現在の職場ではそういうものはありません。形だけのイベントやっても意味がないですし、従業員にしてみれば楽といえば楽ではありますが、この会社大丈夫なのか?と思いました。

 

従業員数が激減

ここ2年くらいで正社員が3割ほど退職してしまいました。昔、毎月10人退職し10人入社してくるという会社(今で言うところのブラック企業?)にいたことがありますが、それ以来の衝撃です。今年になってからも既に3人退職しています。退職理由は会社の将来性がないと判断したからでしょう。家庭の事情でという人もいたようですが、円満に退職するための嘘だと思います(もちろん本当のことを言う必要はありません)。

4月に入って配られた組織図をみて、あまりの人の少なさに思わず従業員の数を数えてしまいました。思ってたより人がいなくて、うちの会社大丈夫なのか?と思いました。

 

給料が上がった

こんなに給与が上がることがあるんだという感じで謎の昇給がありました。引き止めの意味合いがあるのかわかりませんが、どうやら正社員は全員昇給したようです。みんなはこの昇給をどう感じたか知りませんが、こんなことでずっと会社に残ろうなんて人いるのでしょうか。この会社大丈夫なのか?と思いました。

 

長期休暇がなくなった

今年のGWは仕事になってしまいました。土日も関係なくぶっ通しで仕事になりそうです。仕方がないことではあるのですが、奥様(あえて敬称)と過ごせる長期休暇は死ぬまでに数えるくらいしかないでしょうからとても残念です。歳をとったら休みはいくらでもあるとか言う人がいるかもしれませんが、今やらなければいけないこともあるのです。自分の時間(若さ)を奪われたと考えたら会社に対して怒りが湧いてきそうです。

 

またこんなことをしなければいけないのか

一言でいうと、自分の仕事は社会に貢献していない。本当はこんなことしたくないということが、年に何度かやってきます。仕事のやり方を変えることができればいいのですが、何もできず無力感を感じます。そういう能力がないのだから仕方がないです。なので、やりたくないことしないためには、今の会社を辞めるしかないということになりますね。

 

で、どうするの?

「会社が潰れる前に自分が会社を辞めます」と、きっぱり言いたいところですが、いざ実行に移すことを考えると資産枯渇の恐怖心が湧いてきます。そして現状維持バイアスがこれから強く働くでしょう。一方で、奥様(あえて敬称)には「定年まで働いたとしたら給料の合計はいくらになるの?1億円いくわけでもないし、たかが知れているよね」と言われています。何も言い返せません。

とりあえず、会社が潰れる前に自分が会社を辞める目標ができました。いつ辞めるのかは資産の枯渇問題に関わりますので、引き続きよく検討していきたいと思います。

 

バリスタFIREに資産はどれくらい必要なのか(2)

※この記事は3月10日に作成し、3月31日に修正・加筆して再度公開しました。

 

現在の私の勤労収入は生活費を上回っているわけですが、会社を辞めた場合は勤労収入と資産収入で生活費を賄わないといけません。

生活費=勤労収入+資産収入

資産収入を得て(資産の取り崩しをして)生活する場合の運用利回りは、3~4%を見込むことにします。資産運用本やWEB上の情報を見るとこれくらいの値が現実的という感じではないでしょうか。あまり強気に考えるよりも安全側で考える方がいいと思います。

 

取り崩しに必要な資産額

資産収入を得るために必要な資産はどれくらいになるのでしょうか。まず、1ヶ月に必要な資産収入を40万円、30万円、20万円、10万円としてみます。この資産収入を1年あたりの資産収入に置き換えて、この資産収入を得るために必要な資産の取り崩し額を算出してみます。運用益の課税は約20%とします。

  • 資産収入40万円/月の場合:480万/(1-0.2)=600万円/年
  • 資産収入30万円/月の場合:360万/(1-0.2)=450万円/年
  • 資産収入20万円/月の場合:240万/(1-0.2)=300万円/年
  • 資産収入10万円/月の場合:120万/(1-0.2)=150万円/年

次に、上記の「資産の取り崩し額」を運用利回りは3.3%と4%で得るとします。資産の取り崩し額を約30倍(30.3≒1/0.033)、25倍(25=1/0.04)したものが必要な資産になります。

  • 資産収入480万円/年(40万円/月)の場合
    • 運用利回り3.3%:600万円✕1/0.033=1億8200万円
    • 運用利回り4.0%:600万円✕1/0.04=1億5000万円
  • 資産収入360万円/年(30万円/月)の場合
    • 運用利回り3.3%:450万円✕1/0.033=1億3650万円
    • 運用利回り4.0%:450万円✕1/0.04=1億1250万円
  • 資産収入240万円/年(20万円/月)の場合
    • 運用利回り3.3%:300万円✕1/0.033=9100万円
    • 運用利回り4.0%:300万円✕1/0.04=7500万円
  • 資産収入120万円/年(10万円/月)の場合
    • 運用利回り3.3%:150万円✕1/0.033=4550万円
    • 運用利回り4.0%:150万円✕1/0.04=3750万円

2億円以上あれば、お金の心配なしに資産収入だけで生活できそうな気がしますが、ハードルが高いです。私の場合はやはり勤労収入を見込んで会社を辞めないといけなそうです。

勤労収入を考慮して必要な資産を考える

では、勤労収入*1はどれくらいになるのでしょうか。会社を辞めたらパート・アルバイトをするつもりなので、最低時給で週4日、5日働くとざっくりとした収入(手取り)はこんな感じを想定してみます。

  • 週4日勤務:手取り12万円/月(144万円/年)
  • 週5日勤務:手取り15万円/月(180万円年)

どうせ会社を辞めるなら週4日勤務で考えたいですね。それから奥様(あえて敬称)も12万円/月を得るとしたら、世帯としては24万円/月(約280万円/年)の手取りになります。この前提で勤労収入+資産収入はどうなるでしょうか。資産額が1億円未満のケースで考えてみます。

  • 資産収入240万円/年(20万円/月)の場合
    勤労収入+資産収入=520万円/年
    このときの必要な資産額
    • 9100万円(運用利回り3.3%を想定)
    • 7500万円(運用利回り4.0%を想定)
  • 資産収入120万円/年(10万円/月)の場合
    勤労収入+資産収入=400万円/年
    このときの必要な資産額
    • 4550万円(運用利回り3.3%を想定)
    • 3750万円(運用利回り4.0%を想定)

 ただし、勤労収入=280万円/年とする。

 

上述のケースのように勤労収入を見込むと、資産が1億円未満でも生活費は400万~520万円くらい得られそうです。算出した数字を眺めているとバリスタFIRE(セミリタイア)できそうな気がするのは気のせいでしょうか。

 

ざっくり必要な資産額

とりあえず、夫婦二馬力で勤労収入を得られれば、資産が1億円未満でもバリスタFIRE(セミリタイア)できそうな気がしてきましたが、本当に資産が足りるのか恐怖感は簡単にはなくならそうです。一方で、資産収入は運用益だけでなく資産の一部を取り崩しももできるので資産収入を増やす検討はできますし、65歳からは年金収入も入ります。勤労・資産・年金の収入のバランスを考えて必要な資産のあたりをつけたいと思います。そして、必要な資産だと判断するには、これからどう生きたいのかもしっかり考えないといけないですね。

 

*1:「収入」と「所得」を区別が必要ですが、ここでは手取りとします。

三菱UFJ信託銀行のレポート『取り崩し期の資産運用を考える』

私にはどんな不況がきても安定して不労所得を得られる大きな資産はありません。したがって、バリスタFIRE(セミリタイア)をすることになった場合、資産を枯渇させないためにどのようにして資産の取り崩しをするかは大変重要なことだと考えています。取り崩し方法を検討するのに参考になる情報を探していますが、FIRE達成に向けた情報に比べて、取り崩し方法の情報は少ないという印象です。

三菱UFJ信託銀行の投資理論等資産運用に関連するレポート

資産運用の平均利回りはあくまでも平均である(利回りのばらつきがある)から、定額で取り崩すと枯渇する可能性が高くなります。そのため取り崩し戦略を考える必要になるわけですが、2021年12月に公開されていた三菱UFJ信託銀行の投資理論等資産運用に関連するレポート『2021年12月 No.115 取り崩し期の資産運用を考える』が勉強になりました。

www.tr.mufg.jp

 

資産運用戦略と取り崩し戦略

このレポートでは、退職後の資産取り崩し期の資産運用が重要であるとし、老後の資産運用において「資産寿命を確保すること」と「生活資金を確保すること」の両立をはかる具体策を考えています。具体策は、以下のような想定のもとで資産運用戦略と取り崩し戦略が検討されています。

  • 個人のプロフィールの想定
    • 65歳
    • 夫婦二人で生活(子供はすでに独立)
    • 今後の収入は公的年金
    • 金融資産保有額2,000万円
    • 自分と配偶者の寿命を考慮し、資産寿命は35年
  • 市場環境の想定
  • 資産運用戦略
    • 安全資産での運用(利回り0.05%)
    • リスクをとる運用(株式比率を25%、50%、75%)
  • 取り崩し(支出)戦略
    • 資産の取り崩し額を一定にする(支出額一定)
    • 取り崩し額を抑制するルールを設ける場合(支出額変動)
  • シミュレーション方法

このレポートのシミュレーションでは、資産運用戦略(運用リスクの違い)によって予定取り崩し額が異なります。その額は2,000万円を元手に35年間の資産寿命を確保することを前提に決められています。

 

支出額一定は資産が枯渇する場合がある

このレポートでは、リスクをとる運用はどれも2回に1度は資産寿命が持たない結果になっていました。けっこう恐い結果です。資産形成時の定額積立と同じ考えで資産の取り崩しを始めると取り返しのつかないことになりそうです。一方で、運用リスクを取った方が総支出額は安全資産の運用よりも9割近い確率で多くなる結果を示していました。運用リスクを取らない人が「年金だけではやっていけない」と言いがちなのは、そういうことなのかなと思ってしまいます。

 

支出額を調整すると資産寿命は確保される

このレポートの支出調整ルールは次のようなものでした。

   当年度支出額=(実績資産額/予定資産額)✕当初支出額

実績が悪ければ支出額が減り、良ければ増えるというものでしょう。このルールの場合、運用が悪い場合でも安全資産の運用より総支出額が多くなるという結果をこのレポートは示していました。

 

当初の資産を2つに分けて運用するのが最適か

このレポートでは、資産の半分を安全資産運用、もう半分を上述の支出額を調整するルールでの運用としてシミュレーションをしています。この方法は他の方法と比べて、最悪の運用状況で最も支出額の確保がされやすいという結果が示されていました。

この資産を分ける方法を読んだとき、『つみたて投資の終わり方』を思い出しました。

このレポートに載っている取り崩しルールと、この本に載っている資産の取り崩し手法とは同じものではありませんが、『つみたて投資の終わり方』の手法を参考にするのは間違っていないなと思いました。ただし、自分がやろうとしていることは35年よりも長い取り崩し期間になりますので、自分のためのプランをよく考えて実行に移すことができたらいいなと思います。

ということで、興味がある方は三菱UFJ信託銀行のレポートを見てみてください。

 

2024年のNISA投資をどうするか

とりあえず投資枠を埋めようということで、つみたて投資枠で120万円、成長投資枠で240万、合計360万円の年間投資上限を2月上旬時点でほぼ埋めました。

購入した商品

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)をだいたい半分ずつ購入しました。

成長枠分の資金は、特定口座にある実質コストが高い全世界株式クラスのインデックスファンドを売却して用意しました。つまりNISAへの乗り換えということになります。つみたて枠分は、手持ちの現金を使いました。枠いっぱい投資することが決まっているなら、機会損失がないように早く投資する方がいいという考えです。前倒しで現金を使ってしまったので、1年かけて貯金をしたいと思います。

新NISAの使い方

新NISAの仕組みの中で、使い方をよく勉強したいと思った部分がありました。生涯投資枠が1800万円で、売却しても投資枠は翌年以降に再利用可能なところです。この仕組みは、資産の取り崩し期に入った人が、リスクが低いポートフォリを変えるために活用できそうです。そういう使い方をする人がいるのかWEB上で見つけたら、勉強させていただきたいと思います。

 

バリスタFIREに資産はどれくらい必要なのか

成り行きでバリスタFIREすることになりそうなんて言ってしまいましたが、今ある資産で本当に実現できるのでしょうか。どれくらいの資産があればいいのでしょうか。それを計算するために、まず「支出はいくらか」と「何歳までいきるのか」を考えたいと思います。

支出はいくらか

これは生活費の見積もりをすればいいということで、昨年から家計簿をつけ始めました。大体の支出額はわかっていますが、正確に把握しようとしています。具体的な額は、まあ普通といったところでしょうか…特に贅沢もしていませんし、極端に質素にもしていません。(何が普通かわかりませんが…)

想定する支出は、これから生活費を上げたいとは考えていませんので、現状維持することを前提にして必要な資産を考えたいと思います。老後の生活費は現役時代よりも減ると言われていますが、バッファーを持たせるため、とりあえず無視します。


何歳まで生きるか

バリスタFIRE実行後、手持ちの資産の運用・取り崩しを何年続けるのか、つまり何歳まで生きるのかを想定しておく必要があります。この年数が短ければ、必要な資産額を減らすことができますが、いつ死ぬかは自分でコントロールできません。あとはバリスタFIREを遅らせる方法もありますが、もともと定年まで働くつもりはないので、ここでは50歳にバリスタFIREする前提にしてみます。

では、何歳まで生きるのかを想定するために、第23回生命表(完全生命表)の概況|厚生労働省を参考にしてみました。ここにあるデータによれば、50歳男性の平均余命は33.04歳でした。だいたい83歳まで生きるということになります。ただ、ざっくり半分の人がそれより長く生きることになるので、90歳まで生きると考えておきたいと思います。

あと何を検討しないといけないのか

支出は現状を維持し、何歳まで生きるかは90歳までと想定したいと思います。次にどれくらいの運用利回りを想定しないと、今ある資産でバリスタFIREできるのか検討ができません。運用利回りについては、また別の記事に書きたいと思います。